
住まいとは、建主が好きな色をつけながら楽しく暮らせるものだと我々は考えています。年齢とともに、好みは変わります。奇抜なデザインや特徴的なデザインは、最初は気に入っていても、年齢を重ねると飽きたり、逆のものが好きなるような可能性もあるわけです。
逆にシンプルでベーシックなデザインは飽きないし、どんなインテリアにもフィトします。建主が自由にインテリアのスタイルや色づけを変えることで、いつまでも自分たちらしい住まいやライフスタイルを楽しむことができるわけです。
また、木が好きだからといって、部屋の壁天井を全て木で仕上げてしまうと、暗く重たいイメージの室内になってしまう可能性があります。木と白い壁をバランスよく配した「シンプル+ベーシック」な住まいは、明るく、また暖かみがあり、長期にわたって気持ちよく暮らせる住まいの基本ではないかと考えています。
われわれはスタイルを限定しません。ただ、〜風と呼ばれるような、海外の住まいを擬似的に模したようなスタイルはあまり好ましいとは思いません(ここは日本です)。我々の住宅をあえてスタイルで呼ぶとすると「ナチュラルスタイル」という感じでしょうか。
和にも洋にもとらわれず、建主らしい住まいのスタイルは何か、という観点で常に設計をすすめるようにしています。

なるべくなら人工的なクーラーや暖房器具に頼らずに、自然を活用しながら、気持ちよく暮らしたいものです。自然な暮らしは、住まい手の健康にも、環境にもよいはずです。
我々は、夏場の暑さを和らげるよう、日よけになる軒や庇を設置する、あるいは四方に窓を配して「風通しの良い住まい」を提案するように心がけています。また、吹き抜けやオープンプラン、開口部の工夫など「視線の抜け」をうまく活用して、広がりのある空間を、また窓配置に配慮して、明るい空間づくりを目指しています。
四季の変化を感じながら、五感を通して、気持ちよい暮らしを楽しめるような、健康的な家を作りたいと考えています。
古くから日本建築の基盤となってきた「木造」。緑豊かな日本で「木」で家造りを行うことは、コスト面だけでなく、ひうじょうに理にかなった行為だと思われます。
構造や仕上げで木材を用いることは、建主に快適な住空間を提供すると同時に、土に戻る=環境にも優しい家造りが実現できます。杉や檜、赤松や唐松、栗などの国産材を活用できれば、運搬にかかる環境負荷を軽減できると同時に、日本の林業、そして緑環境の保全につながります。 また木材以外の、石、紙、土などの自然素材を活用することで、多少手はかかりますが、住まい手に安全で、経年変化の味わいを楽しめる、長く住まうための家づくりが実践できます。
■耐震性について
まず簡易的なスウエーデン式の地盤調査によって、その敷地の地盤がどうなっているか、地耐力はどの程度期待できるのか、きっちりと確認します。RCや鉄骨と比べると、木造の場合は比較的重量が軽いので、地耐力が小さくても、ベタ基礎にする程度で対応できる 場合もありますが、極端に地盤状態が悪い軟弱地盤の場合は、まず地盤改良か杭などの地盤補強工事を検討する必要があります。
基礎は通常、構造計算に基づいて配筋を行った「ベタ基礎」を基本としています。配筋の状況を見るかぎり、一般的なハウスメーカーの基礎よりも強固な基礎となっています。
躯体については、特別な理由なければ、鉄骨造やRC造でなく、木造を基本にしています。
柱、梁をくみあげていく在来工法をベースに、ツーバイフォーの良さをあわせ持つ、ハイブリッドで、耐震性能の高い木造住宅が、六曜舎の標準仕様の住宅となっています。
120mm角の柱、120mm幅の梁を用いて、骨太の骨格づくりを行い、筋交いと構造用合板の両方で、耐力壁を形成させます。通常は計算にのらない床面も、梁(土台)上に構造用合板(厚28mm)を張って、剛性を確保した「剛床」を形成します。
構造計算によって算定した位置に、必要な補強金物を適宜設置することで、効率的に耐震性能の高い木造住宅をつくっています。
■断熱性
通常は「新省エネ基準」の断熱性能を基準としていますが、建主の希望に応じて「次世代省エネ基準」を確保する事も可能です。床、壁、屋根に用いる断熱材は、安全性が高く環境にもよいペットボトルのリサイクル品である「パーフェクトバリア」を採用しています。
また壁体内結露防止のために、外周部の壁内に防湿気密シートを張って、室内から湿気を帯びた空気が壁内に入らないようにしています。また通気層をもうけて、万一はいった場合でも、すぐに排出されるような構造としています。
最も熱損失の高い開口部については、まず配置や大きさに配慮した上で、 ペアガラスや断熱サッシを採用しています。木製建具の場合でもガラスは必ずペアガラスにしています。
■メンテナンス性
住宅は建てたら終わり・ではなく、住み始めた時点から、徐々に汚れたり、腐ったりというように、劣化や不具合箇所の増加は避けて通れません。しかし、汚れにくい仕上げ、腐りにくい材料の選定、あるいは汚れても掃除がし易いデザインにしておくなど、あらかじめメンテナンス性能についてもしっかりと考えておけば、大きな問題にはなりにくいと考えています。メンテナンスの軽減をはかりつつも、経年変化を楽しめる自然素材をとりいれることなど、様々な要素のバランスを、建主と相談しながら考えていきたいと思っています。住まい手が愛着をもって、手をかければかけるほど、住まいは長持ちするものですから。
敷地は限られています。建物だけでなく敷地全体を有効利用することによって、はじめて、よりよい住環境づくりが実現できるのだと思います。
車庫や自転車置き場などとして効率的に利用するのは勿論のこと、もうひとつの部屋として活用したり、室内の広がりを演出したり、あるいは植物を育てて楽しむなど。
積極的に緑を活用することも大切です。例えば、庭に落葉樹を1本植えれば春の新芽、初夏の花、夏の濃い葉、秋の紅葉、そして冬の幹の美しさなど、四季の変化を毎日少しずつ感じとることができます。また、実がなる木であれば収穫を楽しんだり、それを食べに来る鳥を観察したり、あるいは風でゆれる葉の音、ほのかに漂う花の香り、葉の雨露に反射する光、さまざまな虫の動きなど、少し緑を加えるだけで、自然の美しさや小さいながらも複合的な生態系を毎日の生活のなかで感じとることができます。これらの身近な緑は住まい手にとって、五感の向上や精神的な癒しの効果をもたらしてくれるのです。